下之坊の大スギ
下之坊の大スギ 《奈良県指定天然記念物》
所在地
天理市福住町別所
概要
天理市福住町に所在する下之坊(しものぼう)はもと普光院永照寺といい、長谷寺の末寺です。この下之坊に上る参道石段の南北両側に、あたかも山門のようにそびえる2本のスギの巨樹があります。
北側のスギは幹周7.4メートル、樹高は37.2メートルあり、地上4.5メートルから5.0メートルのところで6本に分岐しています。中央の2本の分岐幹は直立していますが、ほかの4本の分岐幹は横方向に広がったのちに上方に直立しています。4本の分岐幹の基部の断面は上下方向に長い楕円形になっています。こうした幹の形状は、幹に大きな圧力がかかって生まれるものです。
一方、南側のスギは北側のものと比べるとやや小さく、幹周5.3メートル、樹高は36.2メートルあります。北側のスギとは異なり、幹の分岐はなく直立しています。
南北のスギはいずれも樹勢が盛んで、根張りの範囲は下之坊の境内全体に及んでいます。樹齢は700 年から800 年とされていますが、詳細は明らかになっていません。 下之坊の大スギは県下でも有数のスギの巨樹であり、なかでも北側のスギの形状は特異な生態を示す事例として学術的価値が高いものです。また、下之坊の大スギは通称「婆羅門杉(ばらもんすぎ)」とも呼ばれ、地域の人々によって今も大切に守り継がれています。
文化財指定
「下之坊の大スギ」は令和2年3月6日付で奈良県指定天然記念物に指定されました。
交通
自動車
- 名阪国道福住インターチェンジより北へ約2.5キロメートル(約5分)
- 現地に駐車スペース数台程度
- 県道186 号線から西へ入る道が狭隘ですのでご注意ください。
バス
- 天理駅より奈良交通バス「山辺高校」または「針インター」行きに乗車
- 国道福住バス停下車(天理駅→国道福住 所要時間約 25分)
- 国道福住バス停より北へ徒歩約2.5km(約 35分)
- バス運行本数がきわめて少ないので、時刻表を事前にご確認ください。
下之坊の大スギ 現地案内図 (PDFファイル: 349.2KB)
更新日:2024年03月26日