令和3年度市・県民税主な税制改正
1. 給与所得控除の改正
- 給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。
- 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円超とされ、その上限額が195万円にそれぞれ引き下げられます。なお、子育て世帯や介護世帯には負担が生じないよう、措置が講じられます(所得金額調整控除)。
※改正後の給与所得金額は、下記添付ファイルの所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)により求めます。
年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表 (PDFファイル: 11.4MB)
2. 公的年金等控除の改正
- 公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
- 公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額について、195万5千円が上限となります。
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が、1,000万円を超え2,000万円以下である場合には一律10万円を、2,000万円を超える場合には一律20万円を、それぞれ上記1及び2の見直し後の公的年金等控除額から引き下げられます。
受給者の区分 | 公的年金等の収入金額(A) | 【公的年金等控除額】区分なし |
---|---|---|
65歳以上 | 330万円以下 | 120万円 |
65歳以上 | 330万円超410万円以下 | (A)×25%+37万5,000円 |
65歳以上 | 410万円超770万円以下 | (A)×15%+78万5,000円 |
65歳以上 | 770万円超1,000万円以下 | (A)×5%+155万5,000円 |
65歳以上 | 1,000万円超 | (A)×5%+155万5,000円 |
65歳未満 | 130万円以下 | 70万円 |
65歳未満 | 130万円超410万円以下 | (A)×25%+37万5,000円 |
65歳未満 | 410万円超770万円以下 | (A)×15%+78万5,000円 |
65歳未満 | 770万円超1,000万円以下 | (A)×5%+155万5,000円 |
65歳未満 | 1,000万円超 | (A)×5%+155万5,000円 |
受給者の区分 | 公的年金収入 金額(A) | 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||
---|---|---|---|---|
1,000万円以下 | 1,000万円超 2,000万円以下 | 2,000万円超 | ||
65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 | 100万円 | 90万円 |
65歳以上 | 330万円超 410万円以下 | (A)×25%+ 27万5,000円 | (A)×25%+ 17万5,000円 | (A)×25%+ 7万5,000円 |
65歳以上 | 410万円超 770万円以下 | (A)×15%+ 68万5,000円 | (A)×15%+ 58万5,000円 | (A)×15%+ 48万5,000円 |
65歳以上 | 770万円超 1,000万円以下 | (A)×5%+ 145万5,000円 | (A)×5%+ 135万5,000円 | (A)×5%+ 125万5,000円 |
65歳以上 | 1,000万円超 | 195万5,000円 | 185万5,000円 | 175万5,000円 |
65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 | 50万円 | 40万円 |
65歳未満 | 130万円超 410万円以下 | (A)×25%+ 27万5,000円 | (A)×25%+ 17万5,000円 | (A)×25%+ 7万5,000円 |
65歳未満 | 410万円超 770万円以下 | (A)×15%+ 68万5,000円 | (A)×15%+ 58万5,000円 | (A)×15%+ 48万5,000円 |
65歳未満 | 770万円超 1,000万円以下 | (A)×5%+ 145万5,000円 | (A)×5%+ 135万5,000円 | (A)×5%+ 125万5,000円 |
65歳未満 | 1,000万円超 | 195万5,000円 | 185万5,000円 | 175万5,000円 |
3. 基礎控除の改正
- 基礎控除額が10万円引き上げられます。
- 合計所得金額が2,400万円を超える納税義務者についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える納税義務者について、基礎控除は適用外となります。
合計所得金額 | 【基礎控除額】 改正後 | 【基礎控除額】 改正前 |
---|---|---|
2,400万円以下 | 43万円 | 33万円(所得制限なし) |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 | 33万円(所得制限なし) |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 | 33万円(所得制限なし) |
2,500万円超 | 適用なし | 33万円(所得制限なし) |
4. 扶養控除等の所得金額要件の見直し
給与所得控除・公的年金控除から基礎控除への振替により、扶養親族等の合計所得金額要件も見直されます。
要件等 | 改正後 | 改正前 |
---|---|---|
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額 | 48万円以下 | 38万円以下 |
配偶者特別控除に係る配偶者の合計所得金額 | 48万円超133万円以下 | 38万円超123万円 |
勤労学生控除の合計所得金額 | 75万円以下 | 65万円以下 |
5. 非課税の範囲の改正
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替により、非課税基準の合計所得金額も見直されます。 非課税を判定する所得に10万円が加算されます。
- 「均等割」「所得割」ともに課税されない人
- 前年中に所得のなかった人
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている人(賦課期日現在)
- 障害者、未成年者、寡婦または寡夫で、前年の※合計所得金額が125万円 +10万円 以下である人(給与所得の場合は、給与収入204万4千円未満の人が該当)
- 均等割が課税されない人
前年の合計所得金額が、次の計算で求めた金額以下である人
- ※同一生計配偶者または扶養親族を有する場合
28万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+16万8,000円+10万円
2. 同一生計配偶者同一生計配偶者または扶養親族のいずれも有しない場合
28万円+10万円
- 所得割が課税されない人
前年の※総所得金額等が、次の計算で求めた金額以下である人
- 同一生計配偶者または扶養親族を有する場合
35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+32万円+10万円
2.同一生計配偶者または扶養親族のいずれも有しない場合
35万+10万円
(参考)
※合計所得金額とは、総合所得と分離課税所得で損益通算して、総合課税の長期譲渡所得と一時所得のそれぞれ2分の1した合計額
※総所得金額等とは、合計所得金額から純損失の繰越控除と雑損失の繰越控除を行った額(分離課税の譲渡所得特別控除前) ※同一生計配偶者には控除対象配偶者を含む
6. ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)控除の改正
全てのひとり親家庭に対して公平な税制支援を行う観点から、以下の見直しが行われます。
- 婚姻歴や性別に関わらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有する「寡婦・寡夫・新たに控除対象となる未婚のひとり親」に対して、同一の「ひとり親控除」(控除額30万円)が適用されます。
- 上記以外の寡婦については、引き続き寡婦控除(控除額26万円)が適用されますが、ひとり親控除・寡婦控除ともに、所得制限(合計所得金額500万円以下)が設けられます。
- ひとり親控除・寡婦控除いずれについても、住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」と記載がある方は対象外となります。
【改正後のひとり親控除・寡婦控除(万円)】 ※着色部分が変更点
配偶者関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人合計所得(円) | 500万以下 | 500万超 | 500万以下 | 500万超 | 500万以下 | ||
扶養親族 | 有 | 子 | 30 | 26→無 | 30 | 26→無 | 無→30 |
子以外 | 26 | 26→無 | 26 | 26→無 | 無 | ||
無 | 26 | 無 | 無 | 無 | 無 |
配偶者関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人合計所得(円) | 500万以下 | 500万超 | 500万以下 | 500万超 | 500万以下 | ||
扶養親族 | 有 | 子 | 26→30 | 無 | 26→30 | 無 | 無→30 |
子以外 | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 | ||
無 | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 |
7. 所得金額調整控除の創設
下記に該当する場合は、給与所得から所得金額調整控除が適用されます。 (1)給与等の収入金額が850万円を超え、次の1から3のいずれかに該当する場合
- 特別障害に該当する
- 年齢23歳未満の扶養親族を有する
- 特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有する
所得金額調整控除額=(給与等の収入額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%
(2)給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額があり、給与所得控除後の金額と公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合
所得金額調整控除額=(給与所得控除後の給与等の金額(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(10万円を超える場合は10万円)-10万円
8. 調整控除の改正
合計所得金額が2,500万円を超える場合、調整控除が適用されないことになります。
9. 個人住民税の新たな非課税措置の創設
婚姻歴や性別にかかわらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有するひとり親について、前年の合計所得金額が135万円以下の場合に個人住民税を非課税とする措置が創設されました。
※住民票の続柄に「夫(未届)」、「妻(未届)」と記載のあるかたは対象外
更新日:2021年04月20日