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これまでの歩み

苣原町における「産業廃棄物埋立最終処分場」の設置問題は、平成10年3月26日、事業者が「産業廃棄物埋立最終処分場設置許可申請に伴う天理市長の意見書願い」を天理市に提出したことに端を発します。 天理市は、この処分場が7万市民の水がめである天理ダムの上流に位置し、水道水源を汚染する危険性が高いことから、また、地質と水質の専門家の調査結果においても「産業廃棄物に有害物質が付着混入している場合には、天理ダムが汚染される危険がある」と示されたことから、天理市の環境に関わる大きな問題として、設置阻止の市民運動を開始しました。

飲料水の流れイメージ図

奈良県は、平成10年6月15日事業者から提出された許可申請書を、地元との事前協議が終わっていないことを理由に受付を拒否しました。 しかし、事業者がこのことを不服として厚生省に行政不服審査を行い、厚生省から奈良県に対して許可申請書に対して何らかの処分を行うよう命令書が出されたことを受けて、

奈良県は、平成13年2月20日付で遮水シート、水処理施設の設置などの条件を付して産廃処分場設置許可処分を行いました。

この許可処分に対して、住民団体を中心に各種機関・団体等が結集し、平成13年3月27日「天理の環境と命を守る会」を組織し、市行政、市議会と連携して、環境省に対して、行政不服審査請求(平成13年4月19日提出)、陳情、また奈良県に対して、抗議行動、上申書・要望書の提出など、ねばり強く設置反対を訴えてきました。

一方事業者は、処分場建設の準備段階となる林地開発・岩石採石事業を何度か中断を繰り返していました。しかし、事業者は、設置計画を破棄することなく事業を進めてきましたが、平成22年7月8日事業者が死去しました。

この状況に対して、天理市は、設置許可の権利承継について、奈良県が廃棄物処理法等に則り厳正な判断を行うよう求めました。

そのような中、平成22年10月初めに事業者の相続人から奈良県に事業者の産廃処分場設置許可の権利承継を行う相続届出書が提出されました。

奈良県は、平成23年8月下旬に行政手続法に基づく聴聞を行い、

最終判断として、平成23年9月20日付で設置許可処分の取消処分を行いました。

この処分に対して、事業者の相続人が奈良県を被告とする「設置許可取消処分の取消を求めた行政訴訟」を平成23年12月29日に奈良地裁に提訴しました。 しかし、平成24年3月初めに原告である相続人の破産手続きの開始が決定されたため、審理が中断になりました。 その後、中断状態が続いていましたが、相続人の破産管財人が、原告の権利の引継手続きを行ったので、平成24年11月6日に審理が再開されました。その場において破産管財人から審理の終了が求められ、この求めを奈良県が受入れたことから、当日をもって審理が終了(結審)しました。

判決は、平成25年1月29日、原告の訴え「却下」と言い渡され、原告が、控訴を行わなかったので、確定しました。

「却下」判決により設置許可処分の取消処分が確定したことは、十数年にわたる処分場設置阻止の市民運動にとっては喜ばしい結果となりました。 「天理の環境と命を守る会」の結成から今日まで関係各位には、多大なご指導・ご支援を賜ったことに深く感謝申し上げます。 さて、産廃処分場予定地であった広大な土地は、現在も存在しており、この土地が、環境に影響を及ぼす事業に使用されることも考えられます。 産廃処分場設置問題は区切りとなりましたが、環境問題の完全解決のため最後まで、皆様のご理解、ご協力をお願いします。

平成25年2月18日

お問い合わせ

環境政策課
〒632-8555 奈良県天理市川原城町605番地 市役所3階
電話 0743-63-1001(代表)
ファックス 0743-62-1550
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更新日:2021年03月05日