市議会撤回決議

産業廃棄物処理施設の設置許可の撤回を求める決議

　 近年、経済発展や消費生活の高度化に伴い、産業廃棄物の発生は著しく増大し、質的にも多種多様化している。一方で、廃棄物の処理においては、産業廃棄物最終処分場からの溶浸出水から有害物質が検出されるなど、各地でトラブルが頻発し、廃棄物処理に対する住民の不安や不信感を招いている。

　天理市においても、苣原町地内で産業廃棄物処理施設が計画され、起業者から奈良県知事に対してその設置許可の申請が提出されていた。この施設は、本市の水道水源である天理ダムの上流であることから、市民の間に不安が募り、強い設置反対となっている。

　 天理市では、計画地周辺の地質と水質の両面から施設が天理ダムに与える影響調査を専門家に依頼し、有害物質が混入されれば天理ダムが汚染される可能性は否定できないという指摘を得た。計画されている処理施設は、安定型で条件付といえども天理ダム汚染の不安はぬぐい去れない状況である。天理市議会では、平成12年９月に「産業廃棄物処理施設の設置に反対する意見書」を採択したところであり、こうした市民の設置反対に拘らず、奈良県が設置許可されたことは遺憾の極みであり、市民の意志を全く無視した行為である。

　 よって、天理市議会は、天理市苣原町における産業廃棄物処理施設の設置許可の撤回を強く求める。

　 以上決議する。

　　　平成13年３月６日

天　理　市　議　会